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PSAと前立腺がん

近年の国立がんセンターでの疫学調査で、本邦の男性のがん罹患率で最も高かったのが前立腺がんです。では前立腺がんはどのように発見され、どのように治療されるのか、簡単にご説明します。

 PSAはprostatic specific antigenの頭文字を取ったもので日本語では前立腺特異抗原といわれます。約30年前から血液検査で測定できるようになりました。前立腺がんはそれまで殆どが進行して自覚症状を伴ってから発見されていました。しかし、PSA検査ができるようになってからは早期の前立腺がんが診断できるようになりました。正常値は一般的には4.0ng/ml以上とされていますが、年齢を重ねるごとに微増する傾向があります。最近は検診を受診する年齢も50歳前後の方が増えてきた結果、年齢階層別基準値(50-64歳は3.0ng/ml、65-69歳では3.5ng/ml)も考慮する必要がでてきました。

 進行した前立腺がんはホルモン治療でがんの進行をしばらくの間抑えるような治療しかできませんが、早期の前立腺がんは手術や放射線治療の対象になり完治を目指すことができます。前立腺の存在する場所は、骨盤の奥で、摘出手術も出血が多く以前は大分難儀していましたが、患者さんが増えることで手術技術も確立し、成績も向上しました。数年前からはダ・ヴィンチというロボットを使用した手術が可能となり、出血やキズの痛みも最小限で行えるようになりました。

 放射線治療は一般的には体外から照射する外照射が一般的でしたが、約15年前に線源を前立腺内に埋め込む治療(小線源治療)が本邦でも開始され、低侵襲治療の幕開けとなりました。現在は外照射にも金マーカーといって金属のマークを前立腺に埋め込んだり、スペースOARといって前立腺と直腸の間にゼリー状の物質を埋め込むことで直腸への照射が回避できるような処置もできるようになったりと、絶えず治療方法も進化しております。

 待機療法といって、一度前立腺がんと診断されても、顕微鏡の検査で比較的弱いタイプであったり、PSAが一桁であったりする場合に、ごく一部の方ではありますが、一時的に治療を延期して待機するといった考えもあり、担当医との相談も必要です。

 このように、検査方法から治療方法まで、ここ数十年で劇的な変化が認められている前立腺がん。検査したことがない方は、世田谷区の健診事業もありますので、一度PSAを測定する血液検査を行ってみては如何でしょうか。

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