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症状のない濁った尿

尿混濁は多くは尿路感染または塩類や結晶成分が混じることにより起こり得ます。下の検尿写真、コップの底に描いてある円が見えない状態です。病 的混濁かどうかを判断することが重要になります。

一般的な健診での検尿では一般検尿の尿潜血やタンパクの定性検査(プラスかマイナスか)しかしておらず、実際混濁尿や細菌尿であっても検出できていないことが多いのです。泌尿器科の外来では一般検尿に加えて、尿沈渣を行うため、細菌による膀胱炎や結晶成分による混濁かの区別はつきやすくなります。

特に植物性食物を多食した場合には、アルカリ性の尿になり、白色のリン酸塩や炭酸塩の析出がみられることがあります(下の写真、遠心分離後に白色の粉上の結晶成分を認められる)。個人的には午後の外来で認めることが多き気がします。アルカリ性の尿の場合には酢酸(お酢)を尿に入れて中和するとあっという間に透明になり、その際は塩類や結晶による混濁が強く疑われますし、治療の必要性もないことが殆どです。

一度泌尿器科を受診してみても良いですが、尿が混濁していないと尿検査での証明が難しいかもしれません。受診するタイミングが重要です。

 

参考文献:検査と技術、Vol. 51 No.5 2023年5月     

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