HPVワクチンについて(男性向け)
HPVワクチンが公費で女性には投与可能。そして令和5年4月からは4価ワクチンから9価ワクチンに。
小学校6年生から高校1年生の女児に対しては公費(無料)で行えます。さらにはキャッチアップ期間の対象年齢の女性には投与可能です。多くは婦人科のクリニックや小児科・内科で投与されていると考えます。
当院は男性のみを対象としてワクチン接種を開始しました。
当院では男性に対して、特に尖圭コンジローマの予防といった意味合いでの投与を開始いたします。9歳以上の男子に接種可能ですが、男性は9価ワクチンを投与できない(日本国内での承認を得ていないため)のですべて4価ワクチンになります。残念ながら男性は定期接種対象ではないため自費診療となります。
ガーダシル® 1回19,800円、計3回必要になります。初回接種(1回目)、初回接種から2か月後(2回目)、初回接種から6か月後(3回目)に筋肉注射します。十分な予防効果を得るためには、3回注射をする必要があります。
予防効果
- 男性;陰茎癌
- 女性;子宮頸がん、外陰部癌、膣癌
- 両方;肛門癌、咽頭癌、尖圭コンジローマ
副反応
ガーダシル®接種と関連性があると考えられた主な副反応は以下のとおりです。
- 頻度 10%以上:注射部位の痛み・赤み・腫れ
- 頻度1~10%未満:発熱、注射部位のかゆみ・出血・不快感、頭痛
- 頻度1%未満:注射部位のしこり、手足の痛み、筋肉が硬くなる、下痢、腹痛、白血球数増加
- 頻度不明:無力症(上まぶたの下垂、物が重なって見えるなど)、寒気、疲れ、だるさ、血腫、気を失う、体がふらつくめまい、関節の痛み、筋肉痛、おう吐、悪心、リンパ節の腫れ・痛み、皮ふ局所の痛みと熱を伴った赤い腫れ
まれに、過敏症反応(アナフィラキシー反応やアナフィラキシー様反応〈呼吸困難、目や唇のまわりの腫れなど〉、気管支痙 攣〈発作的な息切れ〉、じんましんなど)、ギラン・バレー症候群(下から上に向かう両足のまひ)、血小板減少性紫斑病(鼻 血、歯ぐきの出血、月経出血の増加など)、急性散在性脳脊髄炎(まひ、知覚障害、運動障害など)があらわれることがあり ます。このような症状が疑われた場合は、すぐに医師に申し出てください。
ガーダシル®を適正に接種したにもかかわらず、健康被害が発生した場合には、その内容、程度に応じて薬事・食品審議会で の審議を経て「医薬品副作用被害救済制度」により治療費などが受けられる場合があります。詳しくは、独立行政法人医薬品 医療機器総合機構のホームページなどをご覧ください。
HPVワクチン(シルガード9)
シルガード9は、HPV 6/11/16/18/31/33/45/52/58型を含む、9価HPVワクチンです。ガーダシル®(4価HPVワクチン)に含まれるHPV6/11/16/18型に加え、HPV31/33/45/52/58型のVLP(ウイルス様粒子)を含みます。
これまでのワクチンでカバーされていた16型と18型は子宮頸がん全体の70%の原因とされてきましたが、今回さらにHPV31/33/45/52/58型をカバーすることで、HPV型の88.2%を予防することが可能と考えられます。その他にも、外陰がん(陰茎癌を含む)、肛門癌、咽頭癌、そして性病の線形コンジローマ(主に6,11型)などもHPV感染におり起こるため。これらに対してもまとめて予防効果が期待されます。
~瀬戸口クリニックから許可を得て改編~